2023-01-01から1年間の記事一覧

「から騒ぎ」

O, what authority and show of truth Can cunning sin cover itself withal! Act4 Sene1 35-36 4幕1場 婚礼の式場 ああ何というもっともらしい真実のみせかけで 罪はおのれの姿を巧みにかくすことか! 小田島雄志訳 おお、よくもああ狡猾に誠実らしい外見…

「むださわぎ」MUCH ADO ABOUT NOTHING

「シェイクスピア大全」新潮社 テーマは ユーモアとウィットの冷めた精神を貫きながらも幸福な結婚の糸口をつかむ男女の生き方。ベネディックとベアトリスの機知合戦と周囲の人々の計略に注目。 みどころ ウワサを信じてだまされる人間の愚かさ。アピアラン…

「ウィンザーの陽気な女房たち」

BBC版の「ウィンザーの陽気な女房たち」見ている時も、見終わってからも、どうもしっくりこない。 見どころは ユーモアとウィットのかたまりで超然たる態度のはずのフォルスタッフが情欲に支配され、外見に騙されて愚行をはたらく。フォードは嫉妬に荒れ狂う…

「アントニーとクレオパトラ」42場 場面転換の醍醐味

「アントニーとクレオパトラ」はシェイクスピア劇の中で、最も場面数の多い悲劇である。42場で構成される。 場面転換は演劇の醍醐味。 それぞれの場面の雰囲気、対比が面白い。 1幕-1場 クレオパトラの宮殿での二人の溺愛の世界 1-4 ローマ シーザー…

「冬の夜ばなし」 コロス

「冬の夜ばなし」4幕冒頭 翼をつけた老人 時 について 砂時計を持って現れ 時の経過と王の悔悟を知らせる。 コロスとは 合唱隊 古代ギリシア劇では50人~15人 歌や踊り 朗読で状況説明。紀元前5世紀のころ衰退。近現代劇においてもイプセン、チェーホ…

役の創造 「冬物語」

左から ポリクサニーズ ハーマイアニ リオンティーズ BBC版 THE WINTER’S TALE ポリクサニーズ ボヒミア王 リオンティーズの親友 ハーマイアニ リオンティーズの妃 リオンティーズ シシリア王 主人公 写真はファーストシーン 帰国するというポリクサニーズを…

歌の世界 「ペリクリーズ」

「ペリクリーズ」は吟遊詩人の歌の世界のような美しさ。 5つの幕は すべてゴーワーの弾き語りではじまる。 第5幕 ハープ伴奏 マーリーナの歌は快い。 この作品は古い様式で制作されている。演劇を楽しむために 様式は格別重要。 書きかけ・・・ song第一は…

「ペリクリーズ」 坪内逍遥は剣舞を見落としている

BBC制作 David Fones 監督の「ペリクリーズ」 第一幕第二幕がていねいに作ってあります。第一幕第二幕はシェイクスピアの作ではなく、ジョージ・ウィルキンス作。音楽や舞は古風に。 第二幕 最初の踊りは剣舞 第二の舞は男女で。王の娘とペリクレスも踊りま…

「アテネのタイモン」と マルクス「資本論」

シェイクスピアの「アテネのタイモン」をBBC制作のVTRで見た。 美食の宴会のシーンなど見事。懐石料理(壺に石)など絵として見ることができたのはうれしい。しかし、作品全体としてはスッキリしない。日本での公演、埼玉や大阪の公演の記録を見ると「名作」…

ヴェニスの商人 手塚治虫 1959年作品

手塚治虫「ベニスの商人」 ただただオモシロく楽しむなら 手塚マンガで。 反ユダヤ主義 どうとらえるか? ユダヤ人シャイロックを心のどこで受け容れるのか? Hath not a Jew eyes? 青線 Hath not a Jew eyes? 裁判の場面 大岡裁き 公正で人情味あり過ぎ で…

ジューリアス・シーザー 現代劇

3月15日が近づき、BBC制作の「ジューリアス・シーザー」を見た。ブルータス役の俳優に生気が乏しく、衣装が貧弱、場面展開退屈、ボソボソ小声で話しているだけ。くだくだしい。カットした方がいいが、本当にもりあげるには4時間(トゥリー上演の事例)、…

1955年の映画「十二夜」 

1955年のソ連映画「十二夜」 監督 Yakow Fried Я. Фрид YouTubeで ていねいに 壮大に作られた全編を無料視聴できます。 原文と比較して 短く直線的な表現。人民映画 かな。 乙女 ヴァイオラのセリフ я хочу ヤ― ハチュー I want to ・・ シェイクスピア映画…