A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM

シェイクスピア劇の翻訳と演出について

坪内逍遥の翻訳と加藤長治の演出。戦前において一世を風靡。今では顧みる人は稀。考え始めたきっかけは、「真夏の夜の夢」を見つつ、題名、坪内訳の「真夏の夜の夢」と他の群訳「夏の夜の夢」の比較。

シェイクスピアの場所指定は「アテネ郊外の森」(暑そう)、言語的にも midsummer は真夏と訳すのが妥当。夏の夜の夢 では英訳すると summer night's dream 。俳諧的思考からも、興行的タイトルとしても 真夏の方が良い。坪内逍遥訳は再評価すべきか?。それにともない、加藤長治演出はどうであったのか、それが最高か?の期待とともに、気になりだしたのです。

シェイクスピア劇の最初の上演(厳密には開港した横浜の外国人向けの劇場でシェイクスピア劇は上演されているが)は坪内逍遥訳で明治44年5月、帝国劇場。招待された夏目漱石が6月5日6日の東京朝日新聞に論評。これが酷評で、「苦痛であり・・悩まされた」詩の響きがなかった。「所謂沙翁劇なるものは、普遍なる脚本の波瀾から観客に刺激を与える外に、一種独特の詩國を建立して、その詩國の市民でなければ到底これを享受できない」

加藤長治演出 詩國を建立したものを発見

日本女子大学の原語上演である。第1回が1935年 第27回1969年まで。