ヂョン王

探偵小説家アガサ・クリスティの孫が「おばあちゃんの本が3番目。聖書、シェイクスピアの次に読まれている。すごい!」と言っているNHK特集番組を最近みました。イギリスではシェイクスピアは2番目に読まれている。どの戯曲が、どんな視角から読まれているのか。シェイクスピア劇の演出家加藤長治によれば「イギリスの将軍マーボローは、自分の愛読書は2種あるのみだと云って、そのひとつは修身書としてのバイブルを挙げ、他のひとつは国史を知るためにシェイクスピアの史劇の一環を挙げたとは有名な話である。」(加藤長治 沙翁全集詩心寸描 シェイクスピアの史劇「ヂョン王」)

国軍の高名な司令官が歴史認識のためにシェイクスピアを読んでいる。今の日本には尊敬された軍の司令官もいないし、確かな史劇も存在しない。どのように読んだのであろうか。ジョン王のフランス国王との向き合い方、考え方、それによってもたらされた戦況と結果、描かれているし、史実を踏まえているのであろう。

イギリス人はゆっくりアガサ・クリスティを読み、ゆっくりゆっくりシェイクスピアの史劇を考えているようである。見習うべきと考えられます。