ギールグドの「ハムレット」 1951年のラジオ番組

伝説的ハムレット俳優 ジョン・ギールグッド 

Jonhn Gielgud  

私が聴いたのは

1951年3月4日 NBC放送(アメリカ)

CD で。(ネット検索で入手容易のはず)

JOHN  GIELGUD HAMURET   ISBN 1 899644 8 6

PAVILION RECORD LTD       Made in England

 

とても聞きやすく わかりやすいのでびっくりした。

ラジオ番組で NBCアメリカの三大ネットワーク。シェイクスピアを知らない米国大衆を意識して制作。それでわかりやすい。1951年はまだテレビのない時代でラジオ番組の全盛期。主婦が炊事しながらラジオにかじりつく とかの時代。ギールグッドも40歳ちょっで 90歳まで活躍した人ではあるが いい声。

全編74分(ハムレットは3時間半が常識)。簡潔。短いがかえって要点がくっきり。

ふつうの部分は早口で 臨場感。 ポイントになるセリフはゆっくり聞かせている。

ハムレットの独白 絶品。たっぷり。

恋人オフィーリアの父への返答「お父様に従います」ハムレット包囲網に参加表明)ゆっくり はっきり。捨てられ 狂乱 水死 への別れ道の言葉

ハムレット父王の亡霊 復讐せよ は7分とって 殺害である 忘れるな を繰り返す。

シェイクスピア英語のリスニング タイヘンと思うかもしれないが 

Remember me.  とか 英語ってこう話すんだ とか わかって快感。

 

ハムレット」2幕2場 第二独白の前

"We'll hear a play tomorrow."   ハムレットのせりふであるが シェイクスピア劇は「観る」のではなく「聴く」ものであるから 聴く形でシェイクスピアを鑑賞するのは王道といえる。

 

聴きどころは・・  詩の響き

一幕四場63行

父王の亡霊がどうしても口をきかない   ハムレットは自分の方からついて行こうとする

まわりがワッと止めて ハムレット

It will not speak; then I will follow it. 

 弱にも三段階あり

It will not speak; then I will follow it.

 

「生か死か」の独白の途中   詩韻がひとつ欠けている。

must give us pause Meditation.  There's the respect

心理的ポーズ 瞑想 がくっきり。

 

ギールグッド 1904-2000  活動期間 1921-1999

歴史劇が緻密で重厚と評価されるが、私はシェイクスピアの精緻な理解とともに創造的な意志がすばらしいと思います。